2012.09/17 [Mon]
出生前診断

昨日、NHKで出生前診断というものを特集していました。赤ちゃんがおなかの中にいる間に、ダウン症などの病気がないかどうかを検査するというものです。アメリカでは妊婦の血液検査をするだけで99%の確立で胎児の染色体異常がわかるのだそうで、日本にも近々その方法が導入されるのだとか。
「病気の子供は事前に発見して生まない。」何でも手軽で合理的なことを好むアメリカ人がやりそうなことです。ダウン症が発見されたイギリスでも国策として出生前診断を推進しているそうです。しかし、私はこの出生前診断というものに非常に違和感を感じました。
出生前診断によって、胎児に重い病気があると診断された母親は、まさに進むも地獄退くも地獄の苦しみを味わうことになるのではないでしょうか?
赤ちゃんを産んで育てると決めたとしても、生まれるまでの間、「どの程度の病気なのか?自分に育てられるのか?何歳まで生きられるのか?」と不安と心配で大変なストレスを抱えながら、幸せいっぱいであるはずのマタニティライフを何ヶ月もすごさなければなりません。ただでさえデリケートな時期に、その重圧が妊婦に与える影響は計り知れません。
そして言うまでもありませんが、何らかの理由で中絶すると決めた場合、どんな理由があるにせよ我が子を自ら殺すわけで、処置後に平然と生きていけるとは思えません。一生後悔して生きる人もいると思いますし、また次の子を産めばいいという簡単な問題ではないと思います。
中絶のタイムリミットは6ヶ月。もうしっかり人間の形になってある程度の大きさになっている赤ちゃんを、陣痛促進剤で無理やりお腹から出すそうです。その赤ちゃんをどんな思いで見るのでしょうか?妊娠できない体になってしまう可能性だってあるでしょう。
そんな苦渋の選択をすることになるかもしれない出生前診断。人間に優劣をつけ、差別をし、振るい分けることになるのではないでしょうか?それ以前に、神の領域ともいえる生命の誕生にそこまで人間が踏み込んでよいのでしょうか?
もちろん障害をもった子供を育てるというのは両親も家族も並々ならぬ苦労があることでしょうし、障害を持って生まれた本人も、身体的な苦労だけでなくイジメをはじめとした様々な心理的苦痛など、健常者には到底理解できない心身の苦痛を味わうことになります。
しかし、症状の差はあれ、ダウン症であっても普通に学校に通ったり社会人として立派に働いている人もいます。それでもこの世に受け入れることができない存在として、生まれる前に命を絶たなければならないのでしょうか?まるでハンセン病患者の断種のようです。
愕然としたのは、その番組で紹介された夫(ふ)医師の病院では、胎児に病気があると診断された方のうち8割は中絶を選択しているということ。
日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「出生前診断が胎児のふるい分けとして一般化したり、安易に行われることは断固反対。検査に対する基本的な考え方をしっかりと明示してほしい」と述られていますが、まさにその通りです。
番組に出演されていた方は、2児の男の子のお母さん。3人目がダウン症と診断され、悩んだ挙句、上の子供達への配慮などもあって中絶を決意。1日目の陣痛促進剤の投与が終わった後に、いたたまれなくなり夫医師にメールで相談。酷いことをしているわけではないのだとなだめられますが、結局中絶を取りやめてその赤ちゃんを出産されました。
また、脊椎二分症という病気で下半身が不自由なお母さんも、やっと授かった赤ちゃんが自分と同じ脊椎二分症であると診断されて泣き崩れ、その後家族会議がはじまります。障害のある体で障害のある子供を育てることができるのかと双方の両親から心配や反対もされ、「親にも申し訳ないし、お腹の子供と一緒に死のうかと思った」と言います。
しかしその方も、中絶方法を医師から説明されているときに倒れてしまい、それがきっかけとなって家族が一致して出産を決意されていました。もちろん彼女もご主人もまわりのご家族もみなさん苦労されるでしょうけれど、本当にほっとしました。
娘の友達にも脊椎二分症の子供さんがいますが、片足が少し不自由ではあるものの、ほんとうに元気なかわいらしい女の子で、知能的にも何も異常はないのです。足以外は他の子供と何ら変わらないのです。ご両親だって、病気がなかったら良かったと思いこそすれ、その子を産まなかったら良かったなんて思っていないはずです。
ダウン症や自閉症をはじめ、様々な難病が増えた原因は経皮毒だと指摘される方もいらっしゃいますし、他にも食品添加物、薬、タバコ、電磁波、放射能などの根本的な悪要因を見直さないまま、病気があれば中絶するという考え方は非常に危険な気がします。ますます病気が増えるだけでしょう。
これから放射能の影響で日本でも奇形のある赤ちゃんが増えていくと思いますし、実際増えているという話も現役の助産師さんから聞いています。人間が作り出した問題に対する警鐘として、病気や奇形を持って生まれてくる赤ちゃんにもっと学ばなければならないのではないでしょうか?
難病とは比べ物になりませんが、私の長女も酷い食物アレルギーを持って生まれました。アレルギーがあると知ったときは「まさかうちの子が?」と大きなショックをうけたものの、そのアレルギーのお陰で食生活を見直すことができ、今では本当に感謝しています。
現在日本では、胎児側の問題(病気など)で中絶することは法律で認められていません。なのでダウン症だからという理由での中絶は本来は違法になります。でも、「ダウン症の子供を育てるのは、経済的に無理」などという理由をつけて中絶するのだそうです。まるで詭弁です。
出生前診断自体も、現在の法律では産婦人科医の義務ではありません。中絶につながる出生前診断をしないという信条を持った産婦人科医の中には、中絶可能な22週未満では超音波検査をしないという医師もいるくらいです。しかしこれから他国のように出生前診断が推進されるようになっていけば、法律が変わることも十分考えられます。
「出生前診断をしなければならない」、「病気なら中絶しても良い」ということになったらどうなるのでしょうか?薬害の問題や放射能事故の責任を解決しないまま、奇形が出たら中絶すればいいという安易な恐ろしい解決策で、重要な問題もうやむやにされていくのではないでしょうか?
そもそも出生前診断を行う背景には、人間はみな五体満足で完璧でなければならないという人間のエゴが潜んでいる気がしますが、「心身の病気や障害」と「個性」は、時に線引き出来ないこともあります。どんな人間も社会から「産まれてきてはいけない」と言われることのない社会はどうやって守ることができるのか、改善することができるのか。法律と社会の仕組みに意識を持つようにしたいです。
*NHKスペシャルhttp://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0916/より写真転載。
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とてもシリアスなテーマですね。
ただ言えることは、そのようなことがないように経皮毒や食品添加物をできるだけ徹底して避け、喫煙を避け、放射能や電磁波に気をつける生活をしていきたいし、子供達や知り合いにもこの重大なことを伝えていきたいです。
意識していろいろなことを見直せば、今からでも遅くはないと思うのです。なぜ生まれながらに障害をもっているのか、何十年も前にはなかった自閉症やダウン症になるのか、病気をもっているのか?このような病気は突然なるのではなく、やはり親の体に溜まっている毒(特に経皮毒)が子供に影響することに早く気づいていただきたいですね。子供を妊娠する前に気づいていただきたい。
ダウン症でも産みたいと公言された東尾理子さんのブログを拝見していたら、お知り合いの方でしょうか?その方からのコメントに、ご自分のお子さんが病気あるいは障害をもって子供が生まれたのはヘアーカラーかもしれないから使わない方が良いようなことが書かれていましたが、もっと早く気づかれていればまた状況を変えることができたかもしれません。
でも、悲しいかな、順風満帆の時は何を申し上げても聞く耳を持たない方が多いです。
まさか化粧品やヘアーカラー、洗剤その他がそのような障害の原因になるなんて考えられないでしょうね。
そのようなお子さんが生まれて初めて気づく人もいれば、一生気づかない人もいらっしゃいます。気づかれただけでも良かったと思うのです。
健康な子供を産むためにはどのようなことに気をつけたら良いかを常に考え、レベルの高いいろいろな講習会などに参加して勉強し、実践されることをお勧めします★